教室の構造化

 つい愚痴っぽくなってしまうと思って、これまで書いてきませんでしたが、もし、これから中学校へ進学される方の、何かの参考になればと思って、KATの中学校の様子をお知らせしようかと思います。


 今年6月にあった『職場体験』で、KATは出身小学校に2日間お世話になりました。半日だけ、私が担任の先生の代わりに付き添いに行った時、6年生の担任だった先生と話する機会がありました。そして聞かれました・・・「どうして、中学校の教室は今でもあのまんまなんですか?」

 KATが中学一年生になってすぐの頃、中学校の特学の教室を見た時は、ほとんど何もない状態(今でもそうですが、学習スペースをパーテーションで囲んであるだけ)だったそうなのですが、それは「まだ始まったばかりだし…」と思っていらしたそうです。ところが、その一年後にもう一度見た時、ほとんど何も変わっていなかったのに驚いていらしたのです。
 その先生は、中学校への引継ぎを本当に一生懸命やってくださいました。教室の構造化に関しては、見取り図を作成し、全体の写真に加えて、各スペース毎の写真も付けて、資料を準備してくださいました。それを私に見せてくださった時、先生と二人で「ここまで知らせて、何もしないってことは有り得ないですよね。そうなったら、(良識を)疑いますよね!」と話していました。そして今、それが現実になっています。
 中学校の担任の先生(一年生の)が決まった時、小学校のその先生は資料を持って中学校に出向き、直接渡してくださっているはずです。そして、KATにはどんな支援が必要なのか?有効なのか?を話してくださっています。ところが、それらはほとんどが何も実行されていないのです。小学校の先生にしたら、強い疑問を感じたことだと思います。

 私も中学校の先生に何度もお願いしました。「この教室をスペース毎に区切ってください。」・・・何度お願いしても、いつまで待っても変わる様子がないので、“せめて遊びのスペースだけでも”と思い、パズル式のシステムカーペットを自腹で購入して、冬休み明けに持たせました。そして、そのたった一畳のカーペットの上で、そこからはみ出さないように楽しそうに遊んでいるKATの姿を見ました。
 以前「遊びのスペースを作ってください。」とお願いした時、担任の先生は「イヤ、あまりこの教室では遊ばないので」と言われました。違うんです!『遊ばない』んじゃなくて、『遊べない』んです!!それでもわかってもらえるはずはありませんでした。その後、あるきっかけでそのカーペットが四畳に増えた(中学校の費用で♪)のですが、「そのスペースを余っているロッカーで囲んで欲しい。」という私の願いは、保健室に余っているカーテン型の仕切りに変わりました。(今から思えば、その時「それでもいいです。」と言わなければ良かったと思います。でも、あの時は「とにかく何でもいいから仕切って欲しい」という思いの方が強かったのです。)

 今、KATのいる特学はそれだけしかない、とても閑散とした教室です。そこで過ごせているKATがスゴイ!と日々感心しています。最初の小学校の先生からの問いかけへの私の答えは、「それは、KATがそれでも落ち着いて過ごせてしまっているからです。」
 「しなくても大丈夫なら、する必要はないでしょう!」・・・きっとそれが中学校側の考え方です。小学校の先生方や私が思う、『より過ごし易い環境作り』という考えは一切なさそうです。
 それでも、私が要求した「特学でもしっかり勉強を!」していただいています。そして、KATは中学校が大好きで、毎日楽しく通っています。だから、『それ以上』はもういい!と思うことにしました。でも、そんなKATにとってあまり快適ではない環境でも、そうやって落ち着いて過ごせているのは、間違いなく小学校の先生方がその力をつけてくださっていたからなのです。申し訳ないですが、中学校の先生方の力ではない!と私には断言できます。。。